最愛の夫を亡くした私は、毎日夫の足音や気配を求め、寂しい日々を過ごしていました。
長い人生を一緒に過ごした夫の姿が消え、声も聞けず、ただ私の記憶の中に生きてる面影を偲ぶことしかできませんでした。
夫は生前で墓地を購入していましたので、通常なら四十九日で納骨するところですが、私は寂しがり屋だった夫を一人暗く寒いお墓に入れることはできず、私自身が遺骨を離れることが出来ませんでした。そして夫の肉体が消えたあと生きた証として私の元に残ったのは遺骨だけと気が付き、これからも自宅で遺骨と共に生活していこうと決意しました。
調べてみると、納骨に決められたルールがあるわけでもなく、自宅での保管は法的に問題ないことがわかりました。
そこで私は、遺骨を収納できるような棚を購入し、台所からも見える、誰が来てもすぐに手を合わせられるリビングに設置しました。
棚の上には写真、位牌、眼鏡など愛用品や好物などを工夫して飾り、毎日お花やお水とお線香をあげ、臨終した時間20分前に手を合わせ、話し掛けて色々な想いを伝えました。
夫に聴こえるようにリビングで好きだった音楽をかけ、家族や来客と生前の思い出話をするうち、リビングの遺骨棚は、家族や友人も自然に手を合わせて冥福を祈り語り掛ける場所となりました。
これが我が家だけのメモリアル家具のスタートです。
メモリアル家具の遺骨に毎日語り掛けるうち、私の心は落ち着き、いつしか悲しみも癒えてき、これからの人生を前向きに生きていこうという気力が戻ってきました。

そして、大切な人を亡くした悲しみはどなたも同じ、今の社会には、私のほかにも色々な事情で納骨できない方々が大勢いるはず、と気が付き、「メモリアル家具」を商品として提供することにいたしました。
大切な人を亡くして大きな喪失感をお持ちの方には、一緒にいたい気持ちに素直に向き合っていくことも新たな一歩を踏み出すために必要な時間になります。
「メモリアル家具」にご遺骨と思い出の品々を納め、毎日語り掛けながら悲しみを少しずつ癒し、これからの人生を歩む支えに成ります事を心より願っております。